自己破産手続きが遅れると債権者が返還訴訟を起こす可能性がある

弁護士

もし借金問題がこじれて、自分の手に負えなくなっているのであれば、弁護士に依頼して自己破産の手続きを始めることです。

というのも、自己破産の申し立てをするまでは法的な手続きをすることが認められているからです。 自己破産の手続きに入って、申立てをするまでに手間取っていると、債権者側から訴訟を起こされてしまうケースもあります。 債権者にしてみると、借金の回収ができない、しかも法的な手続きも行われていないとなると、社内での債権処理ができなくなるからです。

裁判は簡単に言ってしまうと「貸しているお金を返せ」という内容のものであることが多いです。 どのような判決が出るかはわかりませんが、もし返済請求が認められたところで、そもそも自己破産をしようとしている人ですから支払えるだけのお金はありません。

このため、債権者側にとっては債権の回収ができるわけではない、裁判のための費用もかかるので、実際にはうまみはありません。 しかし、それでもなぜ訴訟をするかというと、簡単に言えば威嚇行為や嫌がらせのためにやっていることが多いです。 また、和解に持ち込むことで全額とまではいかないまでも、一部の債権を回収したいという思惑もあるようです。

さらに裁判を起こすことで、債務者の家族や親類の知る所になります。 ことを大きくしたくないと思った家族や親族の中には、当人の代わりにお金を出してしまうケースもあります。 このような狙いも訴訟を起こす背景にはあるようです。

裁判所からの借金返済の催促状

また手続きに手間取っていると、支払督促が来る可能性もあります。

支払督促とは、債務者に対して借金の支払いをしなさいと裁判所の名のもとに来る督促状を指します。 支払督促は、実際に訴訟するよりも多く債権者側がとる手段の一つです。 というのも通常訴訟では、原告側と被告側の両方の言い分を聞いて判決を出します。 ところが支払督促の場合、債権者側の意見だけを聞いて手続きが進められます。 このため、借金回収に訴訟よりも時間も手間もかからないので業者がよく使うわけです。

破産事例の中でトラブルになるものとして、支払督促がそのほとんどを占めます。 ちなみに支払督促の申し立てがあると、裁判所から通知が来ます。 この通知が来てから2週間経過すると、借金のカタとして給与債権を含めて債権者は債務者の財産を差し押さえができてしまうのです。

もし通知に対して異議申し立てをすれば、通常の訴訟になるわけです。 訴訟になってしまうと、時間がかかるので自己破産の借金免責までに判決が出ないというケースもあり得ます。